日本でも都市部を中心にハロウィーンが広まっていますね。

私が住んでいるところは田舎なのでほとんどイベントはないし、
シュタイナー教育的にもオドロオドロしい趣向が幼児にはよくないと聞いたので、
うちは子どもがお友達を家に招いてパーティをする程度。

元来、私は天邪鬼な性格なので
外国の風習を表面だけ真似るのは好きじゃありませんでした。

でも今年は、ハロウィーンに対する印象が大きく変わりました。

アメリカでは、家族で手作りを楽しんだ思い出がやがてかけがえのない宝物となる、
「家族の行事」だということを知ったから。

そのきっかけはこの絵本↓


アイスクリームが溶けてしまう前に (家族のハロウィーンのための連作) (福音館の単行本)


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【出版社からのコメント】

「お菓子をくれないと、いたずらするぞ! 」
小さな怪物たちが叫びます。
そう、今日はハロウィーン。
手作りの衣装に身を包んだ子どもたちが、家族や友だちと一緒に町にくり出す、特別な夜です。
いつか終わりがきてしまう、家族で楽しむ特別な一日。
ハロウィーンと家族がテーマの絵童話でありながら、本場アメリカでのハロウィーンが描かれた、ノンフィクションとしても楽しむことができる1冊です。

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工作が大好きなうちの末っ子に読んであげると、
身近な材料を集めて仮装を手作りする子ども達を見て
「いいないいな!楽しそう!私もやってみたい!」
と興奮していました。
町ぐるみの文化祭、って感じ。

本場アメリカのハロウィーンの歴史や文化を知ることができるし、
爆笑するところもあったし、楽しくて面白くて、
ちょうど今の時期にお奨めの絵本です。

公式の特設サイトでは、塗り絵がダウンロードできますよ。
http://www.fukuinkan.co.jp/icecream/


そして・・・読んでいる途中で、私、号泣してしまいました。
悲しい話でも泣ける話でもありません。
なのに、泣きそうになって、ごまかそうとしたら
変な笑いになって止らなくなって、
次女に「ママ泣いて読めないから代わりに読んで」と丸投げ。
きっと子ども達には、なんで私が泣いてしまったのか分からなかったでしょう。

読んだ後で本の題名の意味がわかったとき、
「いつか終わりがきてしまう、家族で楽しむ特別な一日」
というコピーを見たとき、
それだけでまた目頭熱くなってしまう…。

子どものための絵本であると同時に、
親のための絵本かもしれません。

子育てできるかけがえのない時間を大切にしよう!
と改めて思いました。


著者は「小沢健二と日米恐怖学会」

作者、小沢健二です!
90年代、当時「渋谷系音楽」といわれた
「ラブリー」「今夜はブギーバック」等の
ヒットで人気があったミュージシャンの
通称オザケンです。

開き直ってミーハーな話しをしてしまいますが(笑)
私は渋谷系のなかでも特にフリッパーズ・ギターや、
小沢健二が大好きでした。

渋谷系が好きだった人は
たぶんかなりの確立で
木のおもちゃが好きだったり、
福音館書店の絵本が好きだったり、
スローライフ派だったりすると思うんですよ(私調べ)

なので、もしかしたらオザケンファンの方が
ここを読んでることを期待。

小沢健二は90年代後半にNYに移住した後、
数枚のアルバム発表し、たまにライブをするくらいで
活発な活動をしていませんでしたが、
今年、本格的に復帰したんです。

2月に19年ぶりのシングル「流動体について」、
9月にSEKAI NO OWARIとのコラボ「フクロウの声が聞こえる」を発表。
 (実はセカオワも大ファンなのでコラボに歓喜しました…)

流動体について

フクロウの声が聞こえる(完全生産限定盤)



さらに続けて「アイスクリームが溶けてしまう前に」を出版。

アイスクリームが溶けてしまう前に (家族のハロウィーンのための連作) (福音館の単行本)



「『結婚して!』って、嫌だよ~♪」なんて歌っていた
オザケンが結婚して二児のパパですよ。
子どもができて影響を受けたこと、
アメリカ暮らしから見えてきた日本の良さ、奇妙さ、
「怪物」を恐れずに進むこと、
絶望と希望が一緒にある世界のこと、
いろんな伝えたいことがたくさん溢れだしてきたから
きっと復帰したのかな、と思いました。

先日は、NHKの音楽番組SONGSで
教育や子育てに関係する話をしていたので
また別の機会にその言葉を紹介したいと思います。
(すみません、またミーハー感が出てしまうかもしれませんが)

ちなみに、小沢健二のお父さんは
昔話研究者の小澤俊夫さん。
絵本好きにはおなじみかもしれませんね。



こんにちは、昔話です (小澤俊夫の昔話講座―入門編)